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〈注意事項〉
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芥川也寸志
弦楽のためのトリプティーク

芥川也寸志は文豪、芥川龍之介の三男として生まれた20世紀日本を代表する作曲家である。(父、龍之介の晩年の短編『蜃気楼』にも彼は"Yちゃん"として登場する)
今回演奏される『絃楽のための三楽章-トリプティーク-』は1953年、作曲者が28歳の時、オーストリアの指揮者クルト・ヴェスの委嘱により書かれ、同年12月にはニューヨーク・フィルとヴェスの指揮によりカーネギーホールにて初演された。
この初演の翌年に作曲者は当時国交が無かったソ連に密入国し、ショスタコーヴィチやハチャトゥリアン、カバレフスキーらと親交を結んだ。その半年後にはモスクワでもこの作品は初演され、翌年には出版される。
トリプティクというのはキリスト教美術に見られる3つに分かれた折りたたみの板絵の事であり、その中にはコンパクトに持ち運べるものもあった。まさしくこの楽曲は作曲者のとっての持ち運べるシンボルのように海を渡っていったのである。

2、3楽章は作曲者により破棄された弦楽四重奏からの転用であり(弦楽四重奏では3楽章が2楽章、2楽章が3楽章と順番が逆になっている)、2楽章のヴィオラで歌われるメロディは作曲者の長女の為に書かれた子守唄で叙情的な美しさが感じられ、途中にはKnock the Bodyという楽器を叩く奏法が用いられる。3楽章にもcol legno(弓の木の部分で弦を叩く奏法)の表記があり、弦楽器のポテンシャルを最大まで引き出された楽曲となっている。

「1楽章がとりわけ有名で演奏機会も多いこの曲ですが、2楽章ののどかな田園風景、はたまた虚無感のある響きが大好きです。そして3楽章はトリッキーな変拍子になっています。全員の集中力が問われる曲です。」

「誰が何と言おうとヴィオラが一番アツい曲です。一番かっこいいです。本当にかっこいいです。ジロジロ見ていてください。お囃子のリズム、日本人の血が騒ぎます。」

「なんといっても冒頭のユニゾン、武者震いしそうです」

「アツい」

ドヴォルザーク
弦楽セレナーデ

チャイコフスキー、エルガーと並んで最も良く演奏され、知られている弦楽セレナーデのひとつがドヴォルザークの弦楽セレナーデだろう。
この作品を書いた2年前(1873)に結婚をし、翌年にはブラームスらが審査員を務めるオーストリア政府から高額の奨学金を得た(以後5回連続で受けている)
結婚を経験し、それまでの年収の遥かに高額な奨学金を得た33歳の青年の幸せの絶頂期にわずか12日間で書かれたこの作品は溢れんばかりの幸福感に満ちており、全楽章に通じて美しいメロディが愛の言葉を交わすようにカノン形式で追いかけ合う。元来、セレナーデの持つ意味というのが"青年が恋人の窓の下、ギターを抱えて歌う夜の歌"であったように、この音楽は若い青年ドヴォルザークの純粋な人生への喜びが美しい旋律となって語られる。ブラームスが羨むほどのメロディメーカーだったドヴォルザークの魅力が存分に発揮された楽曲となっている。

「メロディーを紡ぐ天才ドボルザークと言わんばかりの美しい旋律がところどころに出てきます。最終楽章は鉄道好きらしく蒸気機関車が走るよう。」

「その壮大さはまるで交響曲。私のお気に入りは第3楽章です。中間部の美しさはまさに桃源郷を見下ろしているかのような気持ちになれます。」

「ドヴォルザーク特有の電車を彷彿とさせるような、または田舎くさいリズムはこの曲を知らない方でも感じることが出来ると思う。またこの曲は全楽章を通して「カノン」(同じ主題を模倣する技法)が用いられているのでそれを探しながら聴いてみていただきたい」

「かなりアツい」

グリーグ
ホルベルク組曲

元はピアノ独奏の為に作曲された『ホルベアの時代より』(通称:ホルベルク組曲)は作曲者本人によって後に編曲された弦楽合奏版の方が有名になったといえよう。
ホルベアというのはデンマーク文学の父、ルズヴィ・ホルベア(1684-1754)の事であり、ホルベアはグリーグと同じノルウェー、ベルゲン(ホルベアが生きていた当時はデンマーク統治下)の生まれであった。
ベルゲンにて、ホルベア生誕200年の記念式典が行われる事となった際作曲されたこの作品はホルベアが生きていた当時、つまりバロック期に流行したフランス風舞曲の形式を模しており、各楽章には舞曲などのタイトルがついている。
つまり、"ホルベアの時代より"というのはホルベア作品を意識した音楽というよりホルベアが生きていた頃、聴いたかもしれない、見たかもしれない風景や音楽に想いを寄せて作曲された作品である。

「曲全体を通して細かく声部が分かれることで生まれる充実感がたまりません。」

「2楽章推しです!細かく言うと、最初に出てくるテーマが中盤と最後に壮大な形で再度登場する所です!すごい広大な大地に降り立った様な感覚を味わってもらえると嬉しい!」

「どの楽章にも北欧ならではの民族的なパッセージが散りばめられています。3楽章でのドローンはまさにバグパイプ。」

「マジアツい」

チャイコフスキー
弦楽セレナーデ

弦楽セレナーデ、もとい弦楽合奏という演奏形態で最も広く知られ、演奏されている楽曲といえば、チャイコフスキーの弦楽セレナーデであることに異論はないだろう。きっとこの曲もチャイコフスキーの事も知らない人でもあの1楽章冒頭はどこかで聴いたことがあるはずだ。

この作品は1880年、作曲者が40歳の頃、親友であったモスクワ音楽院のチェロ教授であるコンスタンチン・アルブレヒトのために書かれた。この年の1月に父親を亡くし、その後イタリア奇想曲、エフゲニー・オネーギン、祝典序曲1812年を作曲と精神的にも仕事上でも忙しい日々の中、妹の嫁ぎ先であったウクライナにて作曲された。
作品が仕上がった後、チャイコフスキーはパトロンであったメック夫人に『この作品は、感情に満ちたものであり、それゆえ、敢えて言いますが、真の価値を失わないものです。』と手紙を送っている。

第1楽章は作曲者自身がモーツァルトへのオマージュと語っている。音階的なメロディの多様や、ソナチネ形式の小品という題からも多くの弦楽合奏曲の名作を作りあげたモーツァルトへのリスペクトを感じられる。
第4楽章は"ロシアの民謡のテーマによる"と書かれているが、用いられている民謡は2つ『なんと緑の牧場のことよ!』と『緑のりんご畑にて』である。

                   (山村 侑)

「全楽章を通して感情の波を表しているかのようなチャイコフスキーの弦楽セレナーデ。感情が溢れるかの如く始まり、次は優雅なワルツ、そして心揺さぶられる哀歌、最後は疾駆して終わりと見せかけて…(後は聴いてのお楽しみ)」

「推しポイントは曲全体のイントロとアウトロ、以外で言うと4楽章の最初です。ロシア正教会の音楽家であったチャイコフスキーならではの、コラールの様な和声の響きを推したい」

「長い物語を経て最後の最後、1楽章冒頭のメロディが帰ってくるところが何度やっても何度聴いても感動します!」

「超アツい」

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